パトリスジュリアンが好きな理由
もう5年も前に書いた記事が、いまだに当ブログの注目記事としてトップになっているので、再掲載し、記事のなかの主人公、パトリスジュリアンのなにが好きなのか良かったのかを再び書いてみることにします。
パトリスジュリアンさんとの再会&撮影! - バイク乗りのライフシフト
パトリスジュリアンはフランス人。かつてはフランスの外交官として日本に来日して、日本が好きで日本で飲食店やライフスタイルビジネスを初めた人。
もう彼は本国フランスに戻ってしまったようだが、日本に居た全盛期はそれはそれは大ブームだった。白と青のシマシマシャツのボーダーシャツ、あれ、今やオシャレカフェ着の代名詞みたいになっているけどパトリスさんが始めたもの。お鍋のルクルーゼもそう。
彼のCFAという白金にあったレストランに一度だけ行っったことがある。
とにかく彼の世界観がギュッと集まったとても有機的な空間で心底驚いて言葉がなかったことを未だに覚えている。あたたかい空間だった。3世代の家族と一緒にわいわい食事をしているような感覚。
料理はパトリスさんが外交官のころに世界各地を訪れた国の料理がフューチャーされ、ミックスされ、アジア系、トルコ系、欧州の様々なテイストが入っていて、今までの人生で口にしたことがない食事を味わったことを覚えている。いやぁもう美味しかった。(料理本も多数出版)
パトリスジュリアンは人がめちゃくちゃ大好き。料理中やこっちが食事中でも気になったらすかさず寄ってきて、洋服を褒めたり、人の良いところを探してウイットに飛んだ笑いを振ってくる。
それが彼の魅力であって、CFAの最大の売りだった。
店のオーナーがお客さんひとりひとりに毎日毎回おしゃべりを楽しそうにしてくる店なんてあるのだろうか?
いやあるでしょ!ラーメン屋とか、いつもの顔なじみのスナックとか、田舎の土産物屋のおばちゃんとか、暇な時の田舎の定食屋さんとか?
ありますね。
そういう場所に行くと人は癒される。
でもね、
そこに、"洗練"という言葉を足したら、パトリスジュリアン以外にそれが出来る人が思いつかない。
そして、CFAのレストランのことを、"東京にぽっかり浮かんだ小島"だと言う。
なんと気が利いているではないか。
癒しの場所。
今日、コンビニに優れた接客を求める時代ではないし、公共交通機関のサービスはいつも定型文だし、飲食店も全てマニュアル化、仕事場では殺伐とした空気が流れる、希薄な人間関係、、。
今の私たちが求めているものはそれらとは反対のものでしょう。きっと。
パトリスさんの時代は少し早かったんじゃないかと思うんです。時代が彼に追いついてきた。
最後にパトリスさんの文章を載せます。
パトリス・ジュリアンというと『陽気なお料理のおじさん』だと思われているようですが、僕は料理の専門家ではありません。暮しの本を書きましたが、暮しを職業にしていませんし、作家やスタイリストでもありません。
おいしいものをレストランで食べる以上に、自分で料理することが好きです。
ファッション・ショーを見る以上に、おしゃれをすることが大好きです。
誰かの考えを読んだり聞いたりすること以上に、自分で考えていたいと思います。
映画が好きですが、自分の人生を映画のように面白くしたいと思っています。
繰り返しの毎日で、自分らしい暮しを作るたった一人の主役は自分なのです。」
「生活はアート」 パトリスジュリアン
※先日パトリスさんに会った!という知人にお会いしました。現在はフランスにお住いで大邸宅を購入してB&Bをやっていてお客さんをおもてなしているそうです。気になる方は探してみては?